2005年5月10日地縄-6月6日上棟-9月17日竣工の自宅建築に関するこだわりの情報です

  1. 情報収集
    1. 木造家屋の設計は二級建築士。私は教本を買って勉強した。道路斜線・北側斜線・建坪率・容積率・高さ制限など法規も勉強になる。
    2. 住宅展示場では、実物がみれて参考になるが、東京の住居にしては大きく立派すぎる。また、説明担当者は、他の業者を批判して、自社の宣伝しかしない人が多い。批判された相手にいって言い分を聞くと参考になる。どちらの言い分が正しいかは、自分で勉強するしかない。設計・施工・メンテと長いつきあいになるので、自信が無ければ、正直な営業担当がいる業者を選ぶのが正解かもしれない。
    3. テレビの新築番組、リフォーム番組も参考になる。
    4. 建築技術などの雑誌も参考になる。
    5. 家造りの本は、半分宗教的なもの、建築業者の宣伝も入っているので、割り引いて読むこと。
  2. 土地選び
    1. 容積制限を受けない土地形状を選ぶ。道路斜線、北側斜線。高さ制限。
    2. 建坪率、容積率と土地価格の按分を考える。角地は建坪率緩和が得られる。容積率の大きなエリアは地価は高いが、上に伸ばすことが出来る。ただし、庭はとれない。
    3. 土地選びと平行して建築業者を選んでおくと、土地選びへのヒントがもらえる。
    4. 住宅メーカの既存住宅見学会も役に立つ。ショールームは一般に、建坪、床面積が大きすぎるからあてにならない。
    5. すでにそこのメーカでたてた人のネットワークからも有効な情報が入る。
    6. 近隣の関係は重要。あと道路付けも地価に関係するから、納得して選ぶこと。
    7. 家作りの本も全部読んだが、いい加減な情報も結構入っているので、知識が必要。
  3. 工務店、住宅メーカ選び
    1. 土地が決まったら、工務店選びになる。固定資産税がもったいないので、早めに動くことが大事。
    2. 住宅展示場で言っていることは、どこもI am Number One.なので、話半分で聞くこと。納得いくまで回るしかない。
    3. 時間が許す限り、無料でできる限りの設計をさせて、相見積もりをとる
    4. 結構設計を進めないと値段がみえてこない
    5. 拙宅は3社から取った。
    6. 住宅メーカだと、部材、設備がショールームでチェック可能だし、デザイナもついている。デザイン重視だと住宅メーカになる。優秀な営業も当ててもらえることがある。
    7. 工務店のほうが、自由度は高い。
    8. 営業の対応のよさとか、下請けの大工の腕、そういうものも決め手になる。
  4. 図面
    1. 設計図
      1. 注文住宅なら施主と共に作成する
      2. 近隣への配慮を考える
        1. 窓付け、型ガラス、ルーバー等
        2. エアコン室外機での苦情
      3. jwwとかフリーソフトのCADが業界標準で使われている。データをもらえるように交渉して、自分で設計図を手直しすること。
      4. 断熱、換気の計算をしたので掲載する。
    2. 施工図
      1. 直前に業者が作成する。出てこない。
      2. しっかりチェックするほうがよい。
        1. アンカーボルトの数、位置とか、現場で決めている。そういういいかげんなことはさせない。
  5. 基礎
    1. ステコン
    2. 敷石がちゃんと押し固められているか。
    3. 断熱フォームの位置は
    4. 配筋は
      1. アンカーボルトの本数、位置は適切かどうかチェック
        1. こいつが図面にないのはいけない。
      2. アンカーボルトの田植えはさせない
      3. アンカーボルトを斜めにつけることをゆるさない。多少はしょうがないが、たたいて跡から直すのはもってのほか。結構有名な住宅メーカの工事で、アンカーボルトがめちゃくちゃ曲がった状態でコンクリートが流されている物件があった。
    5. 換気設計は
      1. 立ち上がりで区切られた区画間で空気の流通ができるように設計されているか。- あとで強制排気するので注意。
    6. 生コンは生もの
      1. 30分以内に配送できるかチェック
      2. スランプ値を現場で確認
    7. 立ち上がり部の分離対策
      1. レイタンス処理 - 本来は高圧水でやる。
      2. これをやらなくするためのコンクリート混合剤もある。
      3. うちは上記二者が間に合わなかったので、しょうがなく、大工といっしょに、金属ブラシでレイタンスを削り取った。小さな家だからできたこと。
    8. 高精度なうちこみ
      1. レベラーで水平を得たら、ほとんど削らなくてすむように
    9. 十分な養生
      1. コンクリートはすぐに強度は出ない。すぐに土台をとめると、アンカー取り付け部が痛む。
      2. 養生には水分が必要。水まきと、養生シートをかけているか。
    10. 配筋の保護 - 立ち上がり部への上塗りモルタルへの混和財の利用、コンクリート中性化の防止。 マノールハイパーポリマー
    11. エコキュートタンクの配置
      1. 敷地におくと狭くなりがち、家の地下に横置きするタイプのほうがエレガント。ただし、将来の交換をどうするのか配慮が必要。
  6. 構造
    1. 広い空間がとれる木軸剛構造は有利。
    2. ただし太いハリが走るので、建築高さ制限があるところでは不利。これも、天井に段差をつければ解決。普通に暮らしていて天井の段差はほとんど気にならない。 
  7. 気密
    1. 気密がとれていないと、断熱は意味が無い。熱い空気は上にあがるので、天井から漏れ出してしまうし、冷気は下に降りて油化したから漏れ出す。つまり、極端にいえば、気密がとれていない部屋で冷暖房をするのは、まどを開け放して冷暖房するのに近い。
    2. 計画換気では2時間で建物内の空気を入れ換える。計画的に入れ替えるので、よどみもなくむしろ綺麗。友人が酸素濃度測定器を買ったので測定してくれたが、15人くらいで鍋を囲んでパーティをやった後でも空気は綺麗。ただし、数日間換気装置がとまると空気は汚れるので、窓を開けて換気できるようにしたほうがよい。また、そとの気温の方が適温のときには、窓を開けた方が気温は早く適温になる。
    3. http://bit.ly/ZnBbAA に換気方式の紹介がある。拙宅は第3種換気にして、換気装置は定評のあるフランス・アルデ社のモノを用いた。末尾にあるexcelで計算した結果をみると、第1種の全熱交換型にしても、水蒸気潜熱が支配的なので、あまり効果は無い。一方で、第一種換気は、吸気がダクトを通るので、ここにカビが生じたり、ホコリがたまると健康障害のリスクがあるという方もいる。
    4. 換気装置は24時間動きっぱなしなので、電気代はそこそこかかる。が、長期旅行しても家の中の空気はさわやか。
    5. エアコンのドレイン。電気、電話、ケーブル等の引き込み。等で、気密はやぶれる。
    6. エアコンドレインへは、消音バルブというのを入れたい。(入れた。おとめちゃんというもの)
    7. 気密シートも、気密合板も得られる気密はさほど変わらない。
    8. 気密合板をとめるテープは、気密テープだと経年変化ではがれるといううわさがある。一度貼ったら絶対はがれないという、「全天テープ」という合成ゴム系のテープを使用。 
    9. 引き違い窓は、気密の点で不利。
    10. 全熱交換型の換気装置は、ほとんど意味が無い。熱のほどんどは、水蒸気の潜熱でやりとりされるから。
    11. 屋内が正圧になる、第2種換気は、冬季に躯体内結露の危険がありだめ。屋内が負圧になる、第3種換気がいい。掃除がやりにくいダクトを排気のみが通るので、衛生的にもいい。 
    12. アルデ社の換気装置は高信頼。あまり掃除もしなくてよい。が図体が大きく、騒音もそこそこあるので、天井に埋め込むのがよい。
    13. ただしアルデ社の装置を、普通に天井点検口の奧につけると、装置をもしも交換時するときに、天井をこわさないといけなくなる。交換のことも考えて設計してもらうこと。
    14. 通常野村ホームの気密度はC値0.5以下だが、C値0.2を達成。家全体で葉書2枚以下の隙間面積。80%以上の空気が吸気ダクトを通る計算になる
  8. 断熱
    1. 夏の屋根からの熱進入の対策が必要。拙宅では、スタイロフォームという標準の断熱材の上に、リフレクティックスという赤外線反射、断熱材を2重施工。 
    2. 断熱、気密の点では、ウレタンフォームのスプレーを使うのが便利。ただし、これは注入後相当膨らむので、かなり控えめに入れないと、もれだしてかっこ悪くなる。 こだわって、電話、電気、ケーブルテレビの引き込みの際に、ローゼット(?)に吹き込んでもらった。
  9. 内装
    1. 材木メーカから直接仕入れさせれば、無垢の自然塗装の床材が安く手に入る。これは、あたたかくて新建材よりずっといい。腕のいい大工だったので床貼りも自分でやってくれて、工期が削減された。
    2. 無垢の自然塗装の床材があると、床暖房は不要。無理を言って誓約書までかいて、床暖を無垢床に組み合わせさせたが。
    3. まわりぶちを取り払った。すっきりしておしゃれ。
    4. 玄関に無駄スペースを設けると、デザイン性が向上
    5. 人造大理石は、安いがかっこいい。ただし冬は寒い。床暖房をいれるには熱容量が大きすぎる。床下エアコンという手もあった
    6. 吹き抜けもデザイン的に有利。1Fから3Fまでぶっ通しの吹き抜けにした。デザインを配慮して、吹き抜けから幅木も回り縁の撤去。ただし、石膏ボードが重量で変形したため、クロスにシワがはいった。定期点検のとき、1度限りとの条件で無償修理してもらった。
    7. 高気密といっても、上下階で温度差が大きい。夏は1Fがすずしく、冬はやたら寒い。1Fと3Fを繋ぐダクトをもうけて、うえから風を下に落とすのが正解。設計士さんと換気設計業者のおすすめで、吹き抜けトップにシーリングファンをつけたが、全く効果はなかった。また、追加工事で、途中にファンを付けたが効果が小さい。
    8. 結局、寒いので、1F浴室の脱衣所には、暖房用にエアコンを増設した。
    9. 色数を減らして統一すると衣装的にすっきりする。シンプル系がすきなひとにはいい。 
    10. ガラスの手すりはかっこよい。システムキッチンの薄緑、ガラスの薄緑がマッチするとデザインてきにはすっきりして良い。
  10. 電気
    1. 照明デザイナーに頼むと、家の中がやたら明るくなる。
    2. 白熱灯は格好良いが、電気を食う。
    3. デザイナーは、デザイン重視で、電灯とか消耗品の値段を考えてくれないので注意。
    4. 電気設計者は、結構知識に乏しい。
    5. 照明のスイッチは、全部、ホタルスイッチがいい。
    6. スイッチと操作される電球の関係は動線を考えてよくデザインすること。 
    7. コンセント高さ、取り付け位置を徹底的に考えて調整した。とくに掃除機をつかうことを考えて。それでも4箇所くらい追加施工した。追加施工はできるところも限られており、大変。
    8. 押入れの中の証明用にと、コンセントを押入れ、クロゼット内につけたが、ほとんど活用されていない。
    9. 地デジアンテナ、BSはつけておいたほうがいい。あとからつけると面倒。
    10. うちはケーブルを前提として、地デジ、BSは引き出しのみやったが、そこまでやるなら、足場のあるうちにアンテナまでつけたほうがよかった。
    11. cable用のブースターは、BS/CS/地デジ用のとは違う。2重投資になった。
    12. 防犯を考えて、電気が自動点灯・消灯するタイマーをつけたが、これは大変便利。たくさんつけるべき。コンピュータ制御できるものも松下電工からでていた。
    13. 2段食洗機は、大きな皿すらはいらずとても不便。H社のは間仕切りの設計もぜんぜんダメなので、鉄ノコできったりと形をいじった。それでもダメ。やはり1段の普通のがいい。 
  11. 窓、カーテン
    1. 隣家の間は、型ガラスがいい。
    2. ベランダの窓にシャッターをつけるなら、少し高くても電動がいい。セコムをつけると窓を開け、シャッターを操作するのが面倒。
    3. 防犯上も、シャッターについているだけの鍵だと、バールで簡単にこじあけられるので、対策済みのものにすべき。
    4. カーテンはやめて、全部ブラインドにした。縦、横使い分け。自分でつけるのは簡単だし、値段も下がる。入居後安い、業者からいれると、かなり安く手に入る。
  12. 防犯
    1. 人感センサーランプ程度では泥棒は逃げない。
    2. アイホン (カラーカメラつきドアフォン)のオプションの防犯カメラをつけたが、これも泥棒は撮影機能の反応速度の遅さを知っているので、防犯効果は薄い。
    3. 林家の屋根から乗り移れそうなところにベランダがあったので、泥棒はそこを狙ったようである。シャッターは防犯には無意味。苦肉の策で、追加工事で、ベランダを覆ってサンルームにした。
    4. 高い万年塀は、視界をさえぎり、泥ぼうに下見をさせる原因になる。
    5. エコキュートのタンクも隣家の視界をさえぎり、泥棒に下見をさせる原因になる。
    6. セコムも、対応者が到着するのに15分かかるのを知っているので防犯効果は薄い。セコムありとか、防犯中とかのステッカーも泥棒の下見には無意味。
    7. ほとんどの窓がはめ殺しだが、それでも死角になる部分に窓がありそうだと、泥棒は下見に来る。なので、全部、防犯格子をつけて、さらに、ねじの頭をパテで固めてつぶした。
    8. 一番効果があったのは、赤外線暗視カメラを3台つけて、24時間防犯レコーダをいれたこと。
    9. 大型耐火金庫を基礎にねじ止めすることを考えて設計した。
      1. 金庫は、ボルトで基礎に固定。
      2. 泥棒は、こういうものをみると腹を立てて火をつけたり、家に糞を撒き散らしたりするようである。だから、大して重要なものがなければつけないほうがいいと判断。
    10. ドアフォンだけでは、玄関ドアの前にたたれると誰がいるのか分からない。だから、のぞき窓を後付した。これは、サムターン回しに使えないいいのがある。そとからの除きもできないやつ。
    11. オートロック型で、テンキー式のロックがある。
    12. 長期間家を空けることがある場合には、ポスティング対策が必要。 
  13. 防災
    1. 耐火性が高いと、Hハウスは宣伝していたが、関西大震災で炎上しているHハウスをみたとの証言もある。実は、木造モルタルやサイディングでも壁の耐火性は十分であり、一番弱いのは、窓などの開口部。網入りガラスにしても、熱で割れたときの飛散を防ぐだけで、耐火性にはなにも役立たない。
    2. 類焼を防ぐためには、半壊すると壁の防火性が損なわれるから、まず、半壊しないこと。次は、割れた窓からの類焼を防ぐこと。難燃カーテンにするとか、内壁の防火性をあげるかとかである。木造3F建ての場合、建築法で、石膏ボード(これは、結晶水を大量に含んでおり、防火性は高い)と、難燃-有毒燃焼ガスフリーが要求されるので、すこしは対策になっているのではと思う。
  14. 健康
    1. 気密住宅で負圧自体が健康に悪いとの話。まったく根拠がない。
      負圧により玄関にかかる 吸着力(一番負圧が強い、換気扇をまわしたとき)から、計算すると負圧は、0.0053%の減圧となる。低気圧に比べてもはるかに小さいし、ほとんど健康上の被害はでないだろう。
    2. 気密住宅で負圧により構造体から吸引される化学物質が体に悪いという話。
    3. 砒素を含む防蟻剤が体に悪いという話。
  15. 外構
    1. 外構が一番未対策で残る。設計士さんもここまでは考えてくれない。業者もいい加減なところが多い。
    2. コンクリートは、ヘアラインにするのがいい。タイヤのあとも目立たない。
    3. シンボルツリー、植え込みをメンテする気がないなら、全部コンクリートで固めたほうがメンテが楽。
    4. あとから、ポール(バリカー ピラー)をいれると工事が大変。最初からつけておいたほうがいい。
    5. 宅配ボックスは便利そうだが、不在がちであることが一目瞭然でわかり防犯上よくないと判断。
    6. 雑草が生えるので、タマジャリをひいたが、それでも草むしりがたいへん。通路のように狭い庭なら、コンクリートかタイルで固めてしまえばメンテ不要で良い。
    7. ジャリを引いても、泥棒の下見はやってくる。人感センサーも無駄。要は、死角があって、入りやすいポイントがあれば、そこを狙う。死角をつくらないのが一番。
  16. 家具
    1. 生活にぴったりはまるように、設計時に購入家具も全部決定して組み込んだ。
    2. 大工に作らせると、一般には家具職人ほど美しくは仕上がらない。
    3. 通販の家具を組み込むのがコスト的には有利。
    4. 通販の家具を全部きめてそれを踏まえて内装を設計した。
    5. いろいろ見たが、リビング収納はダイケン イノーマがよかった。
    6. ただしイノーマは、棚のつりの固定部が弱い。本をたくさんいれたら、はがれてきたので注意。ねじで補強した。
  17. ローン計画
    1. excelで徹底してsimulationした
    2. ローンの勧誘員は優秀な人が多いので、困ったときはここに相談する
    3. 公庫など公的なものより、会社契約の優遇金利もののほうが得だった
    4. 繰り上げ返済がただになるものがある。これを利用して、徹底的に繰り上げ返済をして、返済にしめる元金分をなるべく急ぎ増やすのが得
    5. 繰上げ返済をするので、ローン期間は最長に設定して、毎月の固定額分は下げておいたほうが安全
    6. 金利優遇期間を過ぎたら、変動金利でいい 
断熱計算
極寒機、猛暑期の2つのタブがある。相見積もりをとった、イザットハウス、FPの家と、拙宅を施工した野村ホームを比較している。
黄色い部分が結論であり、一ヶ月のエアコンの電気代を比較指標にしている。友人から、一部おかしいのではと指摘されてもいるので、間違えあればご指摘願いたい。なぜかMacroが設定されているが、害はないので、ご安心ください。
野村ホームには追加断熱仕様を要求しており、FP並の断熱には成っていると思う。気密もイザットハウスなみの測定結果C値0.25を得ている。
野村ホームは拙宅の施工中に、戸建て住宅事業から撤退をした。最後のご奉仕と、利益度外視的にやってくれたようで、大変感謝している。
メンテは関係会社が引き継いだ。
熱伝導率計算.xls
Microsoft Excel 86.0 KB